目標とされる子

先日、高学年の練習を見ていた時上手な子がいた、A君である。そのA君の事は良く知っているが、今までそんなに目立つ子ではなかった。足は遅い方だし、技術もそんなに特化したモノを持っているわけでもなく、トレセンにも行ってない、試合になればベンチスタート、高学年の試合に助っ人として呼ばれる事はほとんどない。しかし、久しぶりに見たA君のプレースタイルが他の子を圧倒している。足の遅さはそのままだったが、遅い分相手よりも一歩も二歩早い動き出し、フェイントも幅、スピード、タイミングも絶妙、ボールを受ける場所、出す場所などを相手よりも2手先位を考えてやっているようだった。以前とは全く違う子に覚醒していた。

A君のお父さんと話をしてみました。A君が低学年の頃、他の子よりも技術が劣っていた事、スタメンには絶対入っていない事、助っ人に呼ばれない事など本人はあまり口に出して言わないが、いつも悔しい思いをしていた事、時には泣いて悔しがる時もあったそうです。悔しいなら沢山練習やるしかないことを親が言ってもさほどやらなかったそうですが、ある日A君が高学年の試合を見に行った時、とてつもない技術をもっていたB君を見て考え方を改めたそうです。そのB君もたいして足が速い方ではないが、サッカーとしてのスキルが他の子よりも数段上だったそうです。それから、A君はB君を目標にして、B君から技を教えてもらったり、自主練をやる時の練習方法とかを教えてもらったそうです。それからコツコツと努力を積み重ねてきた結果が今出ている。そのような環境を作ってあげたA君のご両親も立派である。